第十三話

順調に進展する主人公1と星乃さん。星乃さんの引っ越す先が「遠くてあえない場所」みたいにやたらと抽象的な表現なのはなんなのかしらん。この手の話のお約束では外国が基本だけど、それだとさすがに「お金をためて毎週会いに行く」が嘘っぽくなってしまうからだろうか。
主人公2は順調に二股発展中。主人公1との差異を明確にするためのキャラの味つけが若干濃すぎたせいか、彼から微妙に嫌なやつオーラが漂ってるのが、このセカンドライン恋愛模様の最大の弱点で、サキノさんの心情自体は理解できても、なんとなく同感できない雰囲気があったり、水銀燈がいきなりやわらかくなってたりするのが、味覚がおかしいだけでなく人をみる目もおかしいのかこの人、と見えてしまうのがどうにもこうにも困ったところ。
マオとサックス君の話は、少女漫画的な「不器用でも純情」キャラをマオ視点で描こうとしているのは分かるんだけど、少女漫画だった一番力をこめて描いているはずの「男がマオのどこに心酔してるか」の描写が浅いので、半端に少年漫画的というか、おっさんががんばってヒロイン視点ものを書いて、やっぱりどこかずれてしまった、といった態になっているのが惜しい。弟君とサックスとで揺れるマオ自体はうまくいってる気がするけど。
 作画は今までで一番と言っていいクオリティながら、きらきらしすぎて目にうるさい感もあり、さじ加減というものの大切さがよくわかる。