第六話

 イスミ編の前半、序盤のハヤテの死で終わるアナザーエンディングのところは、演出が腰が引けててまったく面白くない。ここはもっとこう、美しく激しく切なくがんばってもいいところではなかろうか。それこそ本当の最終回のように、映画で言うなら、明日に向かって撃てのように。まあ、いろいろネタを出してくるがおしなべてぬるい、というのが原作およびこのアニメの基本方針であるような気もするので、あの程度で充分であるということなのかもしれないが。
 続くナギの料理の話は、やっぱりいくらなんでもママレモンは間違えないだろう、と思ってしまう。原作を知っていて、かつ作者のコメントも読んでいるのに、である。ようするに、アイザックアシモフの法則――ノンフィクションはときに、フィクションよりも説得力をもたない――が発動、ということですね。ここは若本トークで「これはベースドオントゥルーストーリー、真実に基づく展開であるぅ!」とか言わせるフォローがあってもよかったような気もする。

 ワタル編へ移行する後半は、まあなんというか、普通。

それにしてもこのアニメは、なにゆえ画面の両脇がボケた感じになっているのであろうか。レンズっぽい感じでレトロ風? にしては色彩は平凡、どころかむしろ悪い意味で今風で雑多だし、構図も背景も凝ってないし……うーむ。