第六話「お前ら全員湯あたりしやがれ!」

 温泉温泉。なんかガイナックスオールスターズな勢いで、予告どおりにサービスサービスな内容かと思ったらば、それほどでもない。むしろおさらいおさらいてな感じで、ここらで新規視聴者も開拓という心積もりでもあるのかもしれない。そういえばとり・みきもてっとりばやい新規読者増大にはお色気だと冗談混じりながらも言っていたし、確かに一見さんのハートを最もすばやく効率よく射抜ける可能性があるのは理解が蓄積して生まれるドラマ性でもマニアしか喜ばない濃い演出でもなく、即物的な快楽であるというのは理屈としては納得いくところではあるけれど、この回がその理屈をよく活かしているかというとそういうことは全然なくて、むしろ、台無しにしてしまっている。だってさ、大雑把なあらすじと断片的なお色気、かてて加えて楽屋落ち的なパロディキャラ、どれをとっても食い足りなくて、かつ、まとめていただくといささかちょっと胃もたれするとりあわせであるように思うわけでありますよ。なにがやりたいのか、まとまった方向性がぜんぜん見えないんだもの。まとまってないものがやりたいんだというならば、なにも整理したふりをしたものをわざわざ見せる必要はないわけで、『グレンラガンの見方その一、グレンラガンに説明を求めるな。グレンラガンの見方その二、グレンラガンに説明を求めるな。グレンラガンの見方その三、グレンラガンに説明を求めるな。』とでもやっていれば充分なのである。
 お話のほうは、ラストに中ボスヴィラン(しかし凄いネーミング)との第二回戦――最終決戦には早すぎる?――への引きが入ってそこそこ続きが気になる格好で終わるわけだが、前述のようにそこに至る過程があんまり面白い見ものではないので、わくわくするまでにはならないのが残念。

 追記、メイン三人の声優でやっているネットラジオでは声優自身物足りなげというか、奥歯に物の挟まったような物言いだったから(その前の週では「次回は凄い」と煽ってたのに)、もしかしたらテレビ東京的にアウトなシーンが派手にカットされたのかもしれないですね。