第三話

うーむ。これは駄目ではなかろうか……。
あまり原作原作いいたくないのだが、ここまでの展開は明らかに原作のほうが上だといえてしまうのがとても哀しい。
わざわざオリジナルストーリーにしたのに、ジョミーの母や家族への思いもいまいち描ききれなかったし、間抜けにも捕獲され拷問、そしてそのままブルーの「ぼくがいく」の展開につなぐのは、安易だし性急過ぎる。原作でジョミーが能力を爆発させてブルーが助けに向かう展開は、半分はブルーがあえてそうなるように仕向けたものだからこそ重みを持つのだが、これでは、ブルーの指導者としてあるまじき読みの浅さと(あっさり人間に捕まえられたりしているしね)を示すものにしかならないではないか。
また、半端にサムたちと再会させたりしたので、育英都市のシステムがけっこう脆弱なのでは、と視聴者に思わせてしまった。育英都市、ひいてはマザーシステムは絶対的な権力として存在しているからこそ、「超人類ミュウの敵」として君臨しえるのだから、これはまずい。
あと、もちろんここでは欠けないが、ジョミーの指導者としての資質を示す重要な場面がこの流れでは挿入不可能(原作ではもうとっくに終わっているイベントである)ということも、この新釈地球への不安点としてあげておきたい。
これらの欠点はまだ次回以降でフォローできると好意的に見ることもできないでもないが、スタートダッシュでよろよろしている選手に誰が付いていこうと思うだろうか、そもそもそういう選手にまともなレースができるのか、と考えたとき、このアニメの先行きがけっこう不安になるところではある。