第一話「目覚めの日」

SF漫画の金字塔の再アニメ化である。幼少時に劇場版を見て以来、原作にも慣れ親しんできたものだから、ちょっと冷静には見られないかもしれない作品で、主題歌にはダカーポのあれをもう一度使いなさいとか、無茶な要求をしてみたい気持ちすらあるのだった(音楽も出来れば佐藤勝のやつを再利用してほしい)。

で、みてみたわけだけど、予想以上にナチュラルに『地球へ・・・』しているのだった。
動く歩道がないとか、ソルジャーブルーの滑舌が悪くて重要な台詞がよく聞き取れないとか、ソルジャーブルーのイヤホンのデザインがダサいとか、キャラデザが全体に冴えないとか、不満がないといったら嘘になるけど主人公のジョミーだけでなく、周囲のキャラクターにも目配りをしてあり、シリーズ全体の序章としてはまずまずの出来映え。
今後どれくらいオリジナルを入れてくるのかわからないし、原作どおりのシビアな展開はまず無理なような気もするから、とりあえず、これで原作を手に取る人がまた増えるといいなあ、というような、生暖かい気持ちで見守りたい。(本作に対する個人的な「成人試験」は、シロエの話の料理の仕方である)。


まあ、できれば同時代性なんかを意識せずに、古臭いところも含めて原作そのままな地球へが見たかったところではあるが……


なお、アニメにはあまり興味のない妹が珍しく見ていて、彼女は両親のキャラクターの改変が気に入らなかったとのこと。両親が揺らぐぐらいでは、SD体制の絶対性が示せていないのでは、というのである。確かにそうだけどねえ。どこまでもジョミーを中心に回る漫画とは見せ方も変われば、キャラクターや世界観もある程度は変わらざるをえない、とここは甘めに擁護しておきたい。