第一話「大江戸に咲く紅い花」

不遇の終了を迎えた『妖奇士』につづく會川昇脚本による『若本仕事帳―耀蔵伝― 第二部』、とでも言いたくなる時代劇アニメ。

原作は劇団新感線の芝居のようで、長屋でのどたばたや、花火師がロケット作りに誘われるといったメインプロットは確かに舞台でもありそうな内容ではある。反面、『うしおととら』のとらのようなクリーチャーのバトルシーンや、デフォルメキャラを活かした展開なんかは、アニメむけのリファレンスがなされているのだろう。もっとも、そのSDキャラは、ほかと見た目の雰囲気が違いすぎて、あまり成功しているとは言いがたいが。

内容的にはおそらく、エウレカみたいな(そして実態はクリーチャーな、そしてたぶん月の住人な)ヒロインを主人公が、ロケットで月に還すまで、ないし還そうとして結局うまくいかなくても、ヒロインが地球を気に入ってハッピーエンド、みたいな流れに、ロケットの兵器利用だのなんだのと鳥居の旦那が絡んでくるというわりと王道な展開なのだろうけど、とりあえず今のところは、そんなストーリーよりも綺麗な背景画像のほうが気になったりするのだった。

とまれ、キャラクターは今回でおおよそ顔見せがすんだのだろうから、次回以降、その掘りさげをきちんとやれたら、これはけっこういける作品になるかもしれない。