第一話「流されて、天国(パラダイス)」

孤島ものらしいのと、出版社が同じせいか、なんとなく『瀬戸の花嫁』とイメージが被っていた一品。同時期にアニメ化するなら、昔20世紀フォックスとワーナーとがネタが思いっきり被ったスティーヴマックィーン映画とポールニューマン映画を一つにしたみたいに、まとめてやったらどうかとか、思ったり思わなかったりしたこともありました。

閑話休題
 
で、いざみてみたら、予想以上にお色気アニメだったのにも驚きました(細田直人キャラは原作よりだいぶ良いと思う)が、予想以上にぶっ飛んだ設定だったので驚きました。百三十年前から絶海の孤島状態で、島に男がいないのに十代前半の人間が多数いる不思議。クローン? 人じゃなくてエイリアンなのか? いや、男はいたがもういない(島の女が一致団結して男を皆殺しにしたとか、男だけを殺すウィルスとか)パターンかもしれないが、男に興味がありまくりなのに、性的な羞恥心が皆無というあたりの得体の知れない精神構造がなにやらとても怖いです。そして、和風なんだか今風なんだかわからないファッション。百三十年鎖国状態だと、妙な切れ込みのはいった忍者服もどきや、プリーツのミニスカート、サイドを紐で結ぶパンツが発明されるようなのである。

これで、サブタイトルがかぎりなく比喩でないと――溺死寸前の人間が酸素欠乏から来る朦朧状態で見ている夢空間でないと、言い切れない人間がいるのか。いやいない(そういった意味でも、瀬戸の花嫁と共通している)。
 
だかしかし、ここまで臆面もなくハーレム萌えギャルゲー展開に徹されると、いまさら文句をいう気もなくなるというか、過剰なお色気すらまったり見られるというか、いや、こっちが慣れすぎて感性が鈍磨した可能性もあるけど、これも見ようによっては癒し系であるのかもしれない。