第一話

 gimikの新作かと思ったら、微妙に違うのだったがしかし、gimikの新作だったら良かったのになあと思わせるロボットアニメ。

どういうことかというと、ようするに門之園恵美に原案とEDだけでなく、本編のキャラクターデザインをやらせていたら良かったのでは、ということだ。薮野浩二が駄目というわけでないのだが、『かみちゅ』のとき以上にごむ人間チックというか、リアル風な背景とくすんだ色彩にほっぺたに出来る紅い斑点とヒョウタンツギ系のデフォルメがまるでそぐわないというか、アニメアニメした門之園絵のほうがかえって普通に見えたんじゃないかなあ、というはなしである。

内容的には、大規模な戦争の代わりに各国一体ロボットをだして戦うという、どこかでみたような設定をどう転がしていくのか、という以上の興味はないし(そもそも、酷な言い方をするようだがきむらひでふみに内容の面白さを求めるのは、ハナから間違っているだろうと思う)、キャラクターが全体に電波気味(普通の人間より感情的な反応が一・五倍は遅そうな主人公とか、ヒロインとか)で、後藤桂二の過去の作品に比べて明らかに求心力が弱い仕上がりなのだが、考えてみると後藤監督作の売りは一にキャラデザ、二に安定した作画であったので、門之園キャラという伝家の宝刀を使わない以上この結果は予測可能のことだったといえるだろう。

ロボットのデザインがパトレイバーガンダムをくっつけたみたいとかラーゼフォンみたいとかそういうのはこの場合、わりとどうでもいいことなのである。