第二十三話「無敵の二人」、第二十四話「護くんに女神さまの祝福を!」

いつからかずっとここにいた。退屈? 倦怠? それとも嫌悪?

 ようするに、おそろしくつまらない、ということでは折り紙つきだった、銀のマリア編の掉尾を飾るにふさわしい、ものすごくつまらないクライマックス編なのだった。
何度も書いているように、ビアトリスというものがこの世界においてどういった位置づけで、どういうものとされているのか、ということが、きちんと説明されてないものだから、ここでいきなり「破壊されたがっている」だのなんだのを言われても、知ったことではないのである。そもそもビアトリスが物語の焦点に無かったのだし(メインはどう見てもラブコメだ)、それに絡めて「女神様」の心のありようを語られても、やっぱり知ったことではないのであった。絢子の内面劇自体も掘り下げが浅いし、その観点でいうと彼女を変化させるべく存在しているはずの護くんがキャラとして弱すぎるのもきびしい。フルーツバスケットのアニメ化されているところぐらいまでの透君とか、ホスト部ハルヒみたいな強烈なものが無いのだ(*)。
そんな風に重みがないせいもあるのか、マリアがロケットにたちむかう二人へと絶叫するシーンでは思わず噴き出してしまった。なぜにそこで、青年の主張みたいなことを言いますか、精神年齢は老人のはずなのに。まあ、結界を壊すと、国連(みたいなもの)に探知されて「アレ」が打たれることが予想できないぐらいなので、海千山千の策士、というのではなく、 原初への帰還を引っ張り出して何がしたかったのか、なにを期待していたのかわからん、男二人組とたいして変わらないどころか、よりひどい何十年生きても直情径行のうっかりさんがなおらない、というキャラなのかもしれない。

エピローグのいつもどおりの生徒会が絢子たちをいじる展開は悪くなかった。これだけやってればよかったのになあ。結局ちゃんと紹介されなかったひともいるしねえ。なんかもったいない。

(*)そういえば、川原泉の漫画に、剣豪のヒロインをそのものずばり「護り刀」と称したものがありましたが、それはともかく、護くんのキャラ立てはどっちかというと少女マンガというよりは、ギャルゲーの主人公的だ。