第二十一話「遠くに行っちゃいやだ」

ビアトリス消失シリーズの2。
眼鏡の変態が出れば出るほど視聴意欲が減退していきます。この変態とかマリーとか本当に必要なキャラなのか? この話は護と絢子のラブラブモードと、それを取り巻く生徒会のほのぼの話だけで突っ走れば、なんの問題もないと思うのですが、どうやら、萌えアニメの終盤は半端なシリアスを入れて客ドン引き、スタッフだけご満悦の法則がまた発動っぽいですね。今までそれで成功したのがほとんどないうえ、商業主義的観点から行っても得になった例などほとんどないという事実があってなお果敢に挑むのは、勇ましいを越えて蛮勇に過ぎない気がするが、まあやってみてコケないとわからないのかもしれないですな。

とまれ、話はビアトリスを取り戻すためにドイツに行くとか行かないとか。ビアトリスが戻らなければ死ぬというのならば、そしてそれができる技術がドイツにしかないならば、迷うまでもないわけで、その決まりきった結論に辿り着く過程にいろいろと面白げな工夫をするぐらいしか、作品として成立する道はないのにもかかわらず、やったことはといえば、変態の出番を増やしてみたり、どうでもいいアクションを入れてみたりと、つまらないことこの上ないのだった。

あと、設定面でこの世界におけるビアトリスというものの存在や位置づけが『学園アリス』における「アリス」ほどにもはっきりしてないのも、作品のシリアス化の障害になっている。『まぶらほ』の魔法みたいにどたばたラブコメをやる分には適当でもさして問題はないものだが、こういう展開になってくると、きちんと設定してあったほうが、たとえば今回の「ビアトリスがないほうが護と平和に暮らせるはず」という妹の主張に対する反論も、「ないと死ぬ」という反則技的な理由以外の理由もありえたのではなかろうか。
その辺があやふやだと、そこで護と絢子の絆の表現も同じところをぐるぐる回っているだけに終わってしまうだろう。
ドイツに行けば、すこしは改善されるのだろうか? あるいは銀のマリーとのバトルとかそういうへちょい展開になってしまうのだろうか?