第二十一話「血ぬられた迷宮#4」

 ファイル7の完結編。
 さらわれたマサ子を救出するために館の深奥に入っていく過程のサイレントヒル的な侵入シークエンス(封じられた庭、というのが特にいい)はとてもわくわくしたのだが、肝心のウラドのおじさんがちっとも怖くないのが寂しい。いきなり眼前に出現して「わあ!」ってどこのお化け屋敷ですか。ヴィジュアル的な不気味さにはいろいろと限界があるのはわかるから、あれでも頑張った結果なのかもしれないが、キャラクターとしてまるで面白くないのは作り手の工夫が足りないといわれても仕方がないだろう。「生への執着」のみに生きるキャラ、というのでももっと掘り下げようがあったはず。
ゴーストハントの話としてみても、ただ逃げて終わるといういまいちカタルシスに乏しい展開。てっきりリンさんやジョンが本領発揮で戦うかと思ったのに――マサ子奪還で溜飲をおろしてくれということなんだろうけど、いまいちぬるい。偽デイヴィスもただ出てきただけで、どうやら、SPRがなにもしないで撤退する展開を合理化するための設定だったっぽいし、もう一組のおばさんはもうただアシスタントをウラドに捧げただけという、ファイル1の坊さんたち以上に存在意義のない人たちだったのでした。
 
 まあドラマ面では麻衣が、前々回のリンさんとのやりとりに続き、今度はマサ子と向き合う、というのが割合重要だったようで、ウラドのおじさんは単なるその後押し係であったのかもしれない。

  南央美のお姉さん(じゃなけど)パートはなくてもいいけど和むことは和む。そういえば、麻衣のパンツルックは気のせいかスカートよりもセクシーな気がする。