第二十一話「もう一度、アンダンテ」

「土浦くんって、歌はあんまり上手くないんだね」
「ピ、ピアノを弾くのとは要領が違うんだよ! グールドだってジャレットだって歌は上手くないだろ」
「ぐーるど?」
 
 日野さんが土浦CDのCMを見たら以上のような会話があるかも知れないかなとかどうでもいいことを考えつつ見始めた第二十一話。日野さんが前向きになると雰囲気が明るくなっていいですな。

しかし素人ヴァイオリンでセレクションにでるというのは、いくら今までの練習で型は体が憶えているとはいえ、やはりこわい。
日野さんが練習室を使わずわざわざ屋上で演奏して自分の下手なことを周知のものとするあたりは、天然なのか策士なのか。もちろん、ここは、わかる人には日野さんの音とわかる、という最終セレクションにおいて重要な要素はきちんと抑えておくためにも必要な場面なわけですが。
 
 今回の見所はやっぱり弦の補修の仕方を教えてくれといわれたのに、「ヴァイオリンの素晴らしさのレクチャー」を始める月森であろう。たんにデートがしたかっただけなんではと思わないでもないが、ある意味志水以上にボケている人なので、自覚症状ないんだろうな。
 当然というかライバルが動き出したらじっとして入られないのがほかの面子で、土浦はもう限りなく告白に近い発言をするし、柚木の旦那は日野さんに絡んでいた親衛隊の三人を追っ払ったり(あのタイミングで出られるということは間違いなく日野さんをストーカーしていたに違いない)、限りなくプロポーズに近い発言をしたりと、大騒ぎなのでした。
 
 そんなこんなで次回は火浦の話? 真っ先に振られそうでもあるが、今のこのノリだと誰とくっつくでもなく終わりそうではある。そっちのほうが後味が良くていいかもしれない(柚木だけは去らざるをえないが――「戻ってきたらお前を奪う」とか何かたのしいことを言っての退場を期待。いや、「お前のために残ることにしたぜ・・・・・・」でもいいけど)。