第一話「ディスティニィ」
野尻抱介原作のSFアニメ。今はイラストは全巻むっちりむうにいだが、当時は一巻のみの山内則康で、その山内がキャラクターデザインを担当した『ストラトスフォー』が『ロケットガール』っぽかったり、佐藤竜雄がアニメ化に興味を示していたりと、アニメ業界との距離は最初から近く、作品化は時間の問題だったのだろう。
件の事情に加えて、SFとしてもけっこう評判が良かったので、ずっと気にはなっていたのだが、結局原作は読まないで今日に至る。
アニメが終わってからの楽しみにとっておこう。そもそも買ってないしね(できれば山内版が良かったり)
てなわけで、ほぼ知識ゼロの状態で見始めたロケットガール。
序盤の、主人公の淡々とした日常描写と島での打ち上げ実験のシークエンスがかなりいい。
実験が失敗するのは、ストーリー上、火を見るより明らかなことではあるわけだけど(それでないと、最後通告が出てきた意味がない)、それでももしかしたら、と思わせてしまうあたりが演出の勝利だろう。実験ロケットの爆発にいたる流れがどこか、チャレンジャー号の事件を連想させるせいもあるのかもしれないが。
主人公がソロモンについてからのどたばたはそこそこ面白いし、基地の人々のパーソナリティを示すに必要なシークエンスであるのはわかるが、それでも追跡戦パートはもう少し削れたのではないかなと思う(ミサイルで足止めを計るとかは、今後の展開に果たして必要なのだろうか?)。
輪入道の基地のボスは主人公のお父さん? その知り合いか?
絵的には背景等にCG過多なのが気になることを覗けば、キャラクターは絵柄の似せ方から、健康的な色気のある体つきまで非常にむっちりむうにい的であっていい感じである。本作が終わったら、このスタッフをそのまま移行させて『絶対×浪漫』とかやってくれないだろうかね。
仙台エリの声は久しぶりに聞いた気がする。
とりあえず次回から本格的に『ロケットガール』になっていくはずで、物語とSF面の評価はそれから。