第二十話「血ぬられた迷宮♯3」

 前回のテンションに比べると大きく落ちた「第三話」。

 字が出てくるところは今回の肝、もっとも怖いシーンのはずだったのだろうか。高港基資の車の怪談漫画の字のほうが百倍怖いというのが残念。音も色も時間も使えるのだから、もっとやりようがあったのではないかなあ。

 ストーリー的にも他のゴーストハンターがまったく活用されていないのももったいない。招霊パートにおばさんを出していけない理由はあったのだろうか? 偽デイヴィス関連は次回出てくるのか?

 謎解きパートの浦戸がウラドでヴラドという流れには、なんかがっかり。大陸で「ちょっとたのしいことをしてきた」(by堂島大佐)人が、それをこの地でもやり続けた(それも医学的興味ゼロのバージョンで)、みたいな話なのか、とおもったら、生存願望でなりきりくんとは、ずいぶんと小さい「悪」ですね。ヴラド公は諧謔も理解する側面もあった人(串刺しにされた死体の匂いが気になるといった人を、その死体の真ん中に生殺し状態で串刺しにする、とか)なので、この事件の黒幕とはちょっと違う気もするが、バートリ夫人のほうはまあそのままですね。どうせなら、ドラキュラ伝説の成立に大きく貢献したのはもう一人、青髭公というのがいるので、それのまねっこもまとめてして欲しかった。部屋が沢山ある家、というのはそれっぽくもあるし。

 作画的にも今回はいまいちだったが、マサ子のシーンだけはやたらと気合が入っていた。巫女さんはもはやかぎりなく保母さんであった。

 ナルの妙な反応は麻衣の夢に出てきたホワイトナルと関係があるのかな? なんらかの事情で魂が半分離脱しているとか?