第二十話「想いと力を込めて」

 ふたたびのキャプテンブラボー戦。
 
ごちゃごちゃした台詞は序盤に固め打ちして、後は口よりも拳で語る、という演出が素敵だ。斗貴子さんは台詞よりもミニスカートで語っていたような気がするが。
 しかし、本編時間がそう余っているわけでもないどころか、規定話数にラストまで押し込めるために原作を手折ってすらいるのに、長々と回想する構成はどうだろうか。今回の戦いと対になる重要な部分であることはわかるのだが、もっと細かく刻んで戦いに織り込んでもよかったと思う。そう大昔のエピソードでもないのだから、なくたって問題なかったかもしれない。
 戦闘描写は重要感に乏しく、ハッタリ描写も腰が引け気味なののが、ちょっと残念だけど、前述のように、ドラマとしての戦闘、という要件は満たしていた。
 最後の火渡の文字通りの降臨は、ブラボーとカズキの静かで張り詰めた対峙がつづく現場への空気を台無しにするノリが、彼の個性とうまく照応していて見事。
 全体に、演出の勝利という回。そのぶん作画は高見明夫作監なのに、もうひとつだったのが残念。