第十三話「ラストワルツ」

 短いようで短かった十三話、最終回である。
 内容的に意想外なところはほとんどない。ごくごくシンプルに兄と妹の最終決戦。
セーラの解放に焦点を絞って、手堅くまとめてあり、悪くないのだけど、大規模な戦争等の各種設定がエイミーの種族を巡るエピソードを含めて、ドラマにほとんど無関係な背景になってしまったのが惜しまれる。お兄さんのキャラさえ、背景に近くなってしまったのはまあご愛嬌。
シナリオ面での唯一のギミックは、亜光速状態での戦闘によるウラシマ効果で、ただしそれは、セーラの性格の変化を見せたかったのはわかる、というだけで、あまり意味がなかったと思う。
その点を除くと、演出、構成面では、今回も、リトルセーラと兄の回想シーンを交え、ドラマチックに盛り上げられていた。
全体に線が細いというか脆弱な印象はぬぐえないが、スタッフの力量は確かなものがあるだけにもっと長尺の作品として構想されていたらと思うところ。ゆかなと愉快な仲間たちのキャラとかもっといろいろ話が作れただろうに。