第十九話「血ぬられた迷宮♯2」

 呪いの館に行っちゃいけねえ! というシリーズ第二弾。

 今までの心霊系の怖さではなく、血や暴力といった直接的な描写でのアプローチが新鮮。
 が、テレビアニメの限界と、虐殺展開にするわけにもいかないドラマ的な制約もあって、もう一歩も二歩も力が足りていない感じ。ただし、今までにも増して、麻衣が事件の中心になっていて、しかもそれが夢とはいえ拉致され殺されかけるという、ホラークイーンとしてはとても美味しい役回りになっているのは印象的。というか、誘拐者(最初はデイヴィス博士とおっさん化と思った)が、問答無用で麻衣のパジャマを剥ぐとか、手術台みたいなところに縛り付けるとか、恐ろしいというより、なにかとってもいやらしい。デザイナースプラッタという名目で少女いたぶりホラーを撮っていたダリオ・アルジェトの気持ちがすこしわかるような気もしないでもない。そういえばアルジェントも「奇妙な建物に潜む魔物」ネタで代表作を生み出してますね。

 リンさんがらみで中国との過去の因縁が出てきたのは、自虐史観がどうとかいう困った人たちが針小棒大に騒ぎ立てそうで、今このタイミングで作品を出すのはちょっと勇気がいったかもしれない。まあ、あの場面は、まさにそういう、個人とここの事象を見ないで固定観念や自身の信条を振りかざす人たちへの批判なわけだけど。
 あとは、軍事関係で731部隊あたりは話にかかわってくるってことか。メモには浦戸に殺される、とか書いてあるみたいだし。南京虐殺はたぶんこれとは無関係だろう。

 前回に引き続き登場の南央美の師匠は、この人がやれば一発で解決するんじゃないかと思うような無敵ぶり。最強の電子の妖精は最強のゴーストハントでもあったのでした。そういえば、最強(たぶん)のオールドブラッドでもありましたね。
 にしても、謎のメモを麻衣だけに読ませて他の人が確認しないのもどうかと思うが、古い文献の横書きが右から左へ読むことを知らない高校生はまずいだろう。

 インチキ臭が濃厚になってきたデイヴィス博士は、誘拐事件云々からなんとなくエドガー・ケイシーを連想したが、そういえばあの人も実際は超能力と言えるような力の存在は証明できなかったんだよねえ。