第十九話「ときめきの伝言(メッセージ)」

弥生さんのほとんど独り相撲な一編
 ときめき、ではなく、どきどきの伝言というのが正しいタイトルであった。。こういう話は一歩間違うと『シャッフル』や『ギフト』といったこれみよがしな似非サイコサスペンスになってしまうところだけど、恋愛問題に限らず、思考がネガティブに傾き始めると、そのネガティブな推測に自家中毒して落ち込み、その状態でよりネガティブな推測が生まれ――といった、憂鬱のデフレスパイラルの発生は上手く描けていたし、思いつめやすいミナのキャラクターという今までの蓄積もあり、どうにか「嗚呼青春」な世界になっていたと思う。もっとも、脚本がサブの――いつも力押しの――人であるせいもあり、陸が電話に出ない理由が結構強引(あまり携帯を使わない人でもなければ、いくらなんでもあれはないだろう)ということもあり、あれでも駄目という人がいてもおかしくない微妙なラインではあるけれど。でも、最後の電話はちょっと怖かった。っていうかゴーストハントのどのエピソードよりぞわっとしました。

 次回予告からすると、無事にお土産ももらって丸く収まる感じだが、ここまで盛り上げてしまった以上、うやむや青葉ハーレムモードのまま終わることはまずありえなくなってしまったから、ほどなく退場ないし身を引く話になるはずで、これはちょっと寂しいような。

 そういえば、今回は完全に脇役な天宮さんは気がついたら好感度マックス。こっちはむしろ、放置プレイの結果のインフレっぽいですが。でもたぶん彼女の活躍はまだしばらくお預けでしょう。みなの話のあとはつかさの話が待っているはずだしね。