第五話

予想通り(と、自慢するほどのことでもないが)、ミルヒ本領発揮。彼は和ませてオーケストラの本領を発揮するタイプなのですね。千秋のように、緊張感で支配するタイプとは対極の存在で、とはいえ、どちらのタイプが優れているという問題ではないので、ようするにのだめと同じく、千秋の解放者的な位置づけの存在なのだろう。
その千秋が指揮台に上がる流れは、ある種スーパーヒーローもの的なかっこよさがあって楽しい。遠山の金さんや水戸黄門がいつまでも続くわけである。しかし千秋が頑張れば頑張るほどのだめの出番も重要性も減りますね。もともと千秋の話なんだから、当然といえば当然だけど。

演奏シーンが盛大に止め絵だったが、オーケストラを全部動かすのはロトスコープでも面倒くさかったのかね。あと、ボリュームを小さくして聞いていたせいか、オーケストラがそんなに変に聞こえなかった。ミルヒがフォローしたあとの差もあまりわからず。もっとも、クラシックは齧ったというのもおこがましいぐらいの鑑賞眼しかない体たらく――CDだって棚に一メートル分あるかどうか――なので、あるいは耳の超えた人には明瞭な違いなのかもしれませんが。

そういえば、第七は第四楽章でおかまが大活躍できますね。そこまで考えてミルヒは選曲したんだろうか。と、ひさびさにカルロス・クライバーのCDを聴きつつ、知ったかぶってみる。