第十七話

 鼠編終了。ハンスの過去の悲劇と、その死に様の描写はかなりいい出来。とくに軍の発砲で頭がぶち抜かれるのをワンショットで描いたシーンは秀逸。鼠のおっちゃんは、目の前で手榴弾が爆発したり特殊な火をがんがん炊きあっている脇でも傷ひとつ負わないタフぶりだったが、「誤射」――ようするに口封じの暗殺ということですが――の弾にはあっさり死ぬのであった。
 少尉の戦いは強いということになっているのだが、あんまり強そうじゃない。作り手がいまいちアリスの強さを信じていないというか、「所詮伍長以下の戦力」的なリミッターがけをして描いているのが戦闘の煮え切らなさに繋がっている気がする。ああいうキャラは、伍長の戦闘シーンで上手く手綱を取りさせしていれば、それ以外の場面では「規格外」の強さでもお話は崩壊しないんだけどなあ。むしろ少尉が圧倒的に強いほうが、話としては爽快感があってたのしいのではなかろうか。変にリアリズムに引っ張られて、すべての戦いが盛り上がらないのでは、なんのためのお話なんだかわからない。
 おっさんたちのやり取りは、やはり似ているだけに攻殻機動隊などのそれに比べると薄っぺらく幼稚くさくて寂しい。もう少しそれっぽく描けないものなのか。
 次回はようやく植田佳奈キャラがようやくその存在意義を明らかにする回の模様。
 そういえばクレイモアにも女声のキャラがいたが、あれはなんだろう? 今後の伏線?