第十五話

鼠軍団との戦い中編。

鼠ボスがここまで頭が悪そうだと、かえってなにか壮大な仕掛をたくらんでいるのではと思ってしまわないでもないこともないかもしれないという気もしないでもないような気がしたりしなかったりするような今日この頃であるように思えることも、もしかしたらある可能性も微小ながら存在するといえる要素もなくもないということもあったはずというときも千に一つぐらいはあるいはありそうであると誰かが言っていたのを聞いたような記憶があったようでもあるがやっぱりなかったようでもありつまるところはどうでもいいことであるかもしれないといい加減気づき始めたようなところであるので、ここまで読んでくれた人がどれぐらいるかわからないがともかくありがたいことである。舞城王太郎西尾維新を読める人ってすごいなあと、立ち読みでいつも断念する人は思ったりもするわけである。いやほんと。

というわけで、部下なら誰でも入れる地下室に、その当の部下を殺すべく遣わした人物をかくまっておく素晴らしい上司に愛想をつかした部下の告発により、ようやく鼠捕りへ出動する第三課なのですが、それはまあ、次回持越しとして、今回のみのエピソードの扱いがどうにも微妙。

ヤク中のお父さんを奮起させるためとはいえ公開レイプ未遂はヤバイだろう。
というか、思うにたまたま薬が切れて理性があったときに当たっただけなんじゃないでしょうか、あれ。
義憤で薬がやめられるなら、それはたぶんまだ中毒ではないのです。

あのとき、もしおっさんがまだ薬で脳が溶けている状態で、最後まで覚醒しなかったら、いったいどうなっていたのかも、気になるところでもあります。十八禁?

戦後復興だとか人的戦災とか麻薬禍とかリストラとか貧困とか、シビアでシリアスなネタを持ってきているわりに、オチが毎回ファンタジー(といって悪ければ重度の理想主義)なのは、話のバランスとしては最悪といえます。
それは、実質的に解決してないも同じなのだから。

次回の鼠捕りとそれに伴っておきるはずの「黒幕」との戦いは、その「実質解決しない」どころか、「表面的にも解決しない」で終わりそうで、それはそれで後味が悪そうで、今か不安ではあるけれど、とりあえず、なにか最初期以来の有能なアリス少尉がすこし見られそう――締めは伍長が持っていくのであろうことは想像にかたくないとはいえ――なので、そこはすこし期待。