第一話

 新房監督作品だが、ぱにぽにネギまの狂騒とは異なる、のったりまったり学生ライフ話。元はいわゆる萌え四コマまんがで、同ジャンルの先達にかの『あずまんが大王』がいるわけですが、あれほど会話のおもしろさや、強烈なキャラクター性でひっぱっていくというのではなく、どっちかというと、『ARIA』シリーズを学生生活で置き換えたような、というほうが近いだろうか。ただし、アリアのような、都市や自然の観光もの的な要素はなく、「見て愛でる」対象が登場人物たちだけ、というあたりにアリア以上の閉鎖性を感じさせる。そういう世界で、なにも起きず、何も変わらない、さしたるインパクトのある内容もないままで、二十数分ちゃんと見せられているのだから、作品としてはしっかりしたものだとは思うが、どれくらい飽きず見られるかはちょっと疑問。涼宮ハルヒの悪い遺伝子とも言える時系列入れ替え構成は、あるいはその希少な「インパクト」をねらったものなのかもしれないが、それだってどれほど効果があるものやら。

あと、実写取り込みの意義は、制作上の都合以上のものは感じられない。こういうのはむしろ手で描きこんだ方が見てて面白いんだけどねえ。