第二十五話・・・/最終話・・・

二話ぶんまとめて感想。

いろいろあったけど、私たちは恋人です、という二十五話、しばしのお別れ、の最終話。

どちらも演出的にはすばらしい。とくに、最終話Bパートの駅のシーンは、『999』とか『北の国から』なんかを思い出したりもする展開であるけど、先行二者の芝居がかった激情に走る一歩手前でおさえるセンスが今日的かつ秀逸。これはもちろん、叫んで走った鉄郎や蛍を否定しているわけではない。この作品の彼らが、鉄郎や蛍のような行動を取ったら違和感でいっぱいになってしまうだろう、ということである。
といってもちろん彼らとて、すっきりクールに自分が抑制できているわけではなく、たとえば列車でのヤノを描いた一連のシークエンス――車窓から七美が消えるたびに思わず後部へ移動してしまう――は、このシリーズを特徴付けていた「主観視点」演出でも白眉といえるもので、ほとんど反則といっていいぐらいの出来映えである。だって、ドラマとしては正直なところ、終盤十話ぐらいは堂々巡りで、しかも巡った先に二人の成長があまり見えないという困ったものであったから、あまり楽しめてなかったどころか、むしろ醒めていたぐらいだし、ヤノにいたっては最後まで好きになれなかったのにも関わらず、それでもヤノに同化してさせられてしまったのだから。大地&池田コンビに万雷の拍手を送りたい

しかしこれ、この先どうなるのかね。アニメとして続きを作る気があるのかどうかはわからないが、山本さんのシーンを見るかぎり、今後の二人が平坦であるはずもなく、例の「永遠」を巡るナレーションしても、二人にとって幸せな結末が待っているようには思えない。いや、二人の関係の崩壊はむしろ、タイトルからしても本題であるのではないかという気がするので、これはじつは壮大な予告編であるのかもしれない。てゆーか、販促作品(原作の)?

まとめ。
光るところはたくさんあったのだが(演出、ささきのぞみ、挿入曲、たけうちくん、水ちん)、トータルで見ると、あるいは原作に起因してそうな問題点も少なからずあって、初期の面白さを維持できたとはいえないのが残念なところだけど(起承転結の承で終わってしまったのならしょうがないともいえるけど)、誠実かつ真っ当に作られた作品ではありました。

さて、原作を買うか、第二期を待つか……悩むところだなあ。