第十一話

 スタッフの誰のハートにヒットしているのかわからないチュパ研ネタから、ハルナと夕映をパクテイオーに導く話。
 大筋の展開のさせ方や、細かいコント、シリアスに盛り上げているところにどうでもいいギャグを入れたりというシリーズの芸風のようなものはこなれてきた感じで悪くない。今回だと、黒薔薇仮面関係と茶会と見せてラーメンという寒い落ちのやつがよかった。二匹の小動物のしゃべりだけはどうにもなれないが。
 しかしドラマ面はどうにもいただけない。ハルナのほうはともかく、夕映のはいきなりネギにラブラブモードで、これは明らかに視聴者が原作か前作を見ていることを想定しての話づくりで、見事その対象に当てはまる立場としても、まるで何話か飛ばしてみたかのようで、見ていて気持ち悪いのでやめてほしいものである。独立した作品にするつもりがないのかねえ。

 ちょっとだけ出てきた本屋の部屋は、本棚の本がよくあるのっぺらぼうの背表紙でなくて本当にあるっぽい本が多くていいのだが、いまいちキャラ立てになってないのが、もったいない。
たとえば、二千年代の現役中学生がリングワールドの「ふたたび」だけをハードカバーで持っているのってどうよ? 近所に時台屋でもあるのか? いやまあ他の本もあまり彼女が読みそうにないものがそろっているような気もするのですが(このスタッフ基本的に自己満足を最優先で遊びを入れてしまうんだよなあ。結果、作品の印象が散漫になってしまう)。