第十話「放課後の呪者#4」

 悲しいぐらいになんの驚きもない謎とき。ナルの謎解きにクールに応対するロサギガンティアは、しかしどう見ても犯人でしかないわけだけど、そこそこ不気味ではあるので、どうせだったらその調子でもっと怖い悪の美学を語ってくれればよかった。わたしをいじめたやつはゆるさない、程度では動機としてあまりに弱いし、聴いていてつまらない。正しい導き手がいなかった異能者の悲劇、という話に持っていくには、スプーン曲げという話題がそもそもあまりに胡散臭すぎて、超能力者の悲劇に見えないという根本的な欠陥がある上、どうにもこうにも自業自得臭が漂いすぎなのである。基本的にファイル1の偽霊能者と同じ陥穽に落ちただけの人間をどうやって同情できるのだろうか。

 そういえば、ナルのスプーン曲げは前回の手品で暗示したとおりにトリックの産物でしたが、作中でもちょっと触れられていたユリ・ゲラー(名前は出ていないが)は果たしてこの世界ではどういう位置づけなんだろう。インチキ? サイキック?

 今回の新ネタというか、決定事項となった麻衣にも力があるっていう設定は微妙。
彼女はあくまで「定点」であり、視聴者と同じ視座に位置しているべきなのではないだろうか? それともそのESPは、幽霊ナルがらみのもので、彼女自身が本来持っている力ではないのかな。

 なお、謎解き直前に一瞬、桂木さんが悪役じみた高笑いするショットがあったが、それは謎のままに残ってしまいました。うーむ。
 あのタイミングでは、レッドへリングとしては唐突だし、あんまり効果的でもないるのだけど、むしろあれははったりではなく、「そのもの」として、そこから話を膨らませて行けば、あるはまだしもだったかもしれない。オーソドックスながら、実は教師さえも操られていて、というふうに。まあ、このアニメの進行速度でそういう話になるとさらにあと一話ぐらいかかりそうだが。

 ときに、OPテーマがきけばきくほどダニーエルフマン(雨異人具ストーリー?)に思えてくるのは何とかならないでしょうか。