第四話

 「♪二話で止まって溜まるパターン」にならずに三話目を越え、ぶじ四話目。
 さらばンコイ、という第四話だけど。このンコイが情欲と支配欲に徹底したナイスガイで、TT2で今まで出てきたどのキャラ――メラよりも、主人公の回よりも――性格が際立っていたのが皮肉といえば皮肉。カイはただのいい人みたいな感じで、どうにもあんなに人望があるようには見えないし、メラは今回急に雄弁になっちゃって一貫性が感じられません。実は今回けっこう焦っていて、内面の動揺が雄弁を誘っていたというのならばまだわかるのだけど。
 暗闇で前後がまったくわからない、というシーンはカイの感じた怖さがつたわってきてよかった。前に何が有るかも、何が無いかもわからない、真のぬばたまの闇は確かに怖い。

後半の渋谷編は、一瞬カイが主人公らしい鋭い目をしたのはよかったが、その後ただ逃げるだけなのは笑った。シロ&クロみたいに無敵である必要はないし、どこまでも主人公は普通で行きたいのだろうから、これでいいんだろうけど、そういうキャラならば、ちょっとのことですぐにけんかになるような相手のいる場所に、無計画に押しかけるってのはどうよ、と思わないでもない。ラッパーだってリリックは全部暗記してからステージに上がるのだ。メラみたいに、邪魔者は皆殺し路線なら、それでもかまわないだろうが……。
それにしても、カイたちのトライブっていったいなにをしている集団なんだろうね。走り屋とか喧嘩屋とかそういうものじゃなさそうだし。ただのヒップホップ大好き青年団