第八・五話「仮面の軌跡」

ルルーシュ(以下ルル)「やあ諸君。ゼロ・a・k・a・ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ。今回は総集編ということで、書くことがないらしい。そこで、われらの口真似をしてをお茶を濁そうというわけだ。気に入らない者は、全力でスルーするがよい。われらはそれを一切拒まぬ」
シーツー(以下CC)「サブタイからして突っ込みたい所だが、まずお前に言いたい事が有る。書く事が無いなら書かなければ良いのでは無いか?」
ルル「フッ(と、髪の毛を書き上げる)。そうだな。そういう手段も確かにあるだろう。しかしこの局面においてはこれが最善手なのだ」
CC「お前がべらべら益体も無いことを話せるからだろう? 更新量が多い様にも見えるしな」
ルル「なに、悪くとりたいやつにはそう思わせておけばいいさ。俺は全て当初の計画通りにやっているに過ぎない。この複雑な物語をこの時点で総括しておくこと、それこそがもっとも望まれていることなのだ。耳を傾けよ!」
CC「何も難しい話をしている訳でも無かろうに。お前は如何だけ人を甘く見ているんだ? まあよい。其れで何を解説してくれると云うのだ?」
ルル「そうだな。ではまず世界観の説明からしようか」
CC「其れはアバンタイトルで妾(わたし)が何度もやっておるわ。全ての視聴者が耳タコだと思うぞ」
ルル「……。では、物語を時系列順に語るとしよう」
CC「皇帝相手に腰を抜かした前後のエピソード以外、錯時構成はしてないのだから、只の『今迄の粗筋』に如か成らんぞ」
ルル「ならば、それぞれのエピソードについての俺の考えを」
CC「毎回毎回、夜神月の弟分かという勢いでくどい程に喋っておろうが」
ルル「フム。そういう見方もあるかもしれないな」
CC「其れで、如何するのだ?」
ルル「確かにこれでは打つ手がない。お前なかなか頭がいいな」
CC「…・・・」
ルル「どうした? このルルーシュが認めたのだぞ?」
CC「知るか。では妾(わたし)から質問しよう」
ルル「なんだ? 今後の展開について出なければなんでも答えよう」
CC「『撃っていいのは撃たれる覚悟のあるものだ』と今回も強調していたから、余程大切な台詞らしいが、在れは如何いう意味だ?」
ルル「ん? その言葉通りの意味だが?」
CC「お前が撃ち殺したお前の兄は、撃たれる覚悟をして居たか?」
ルル「……」
CC「お前、若しかして『撃たれる覚悟の在る者にだけ撃つ権利が有る』と言うのを捻って使ってしくじったのか?」
ルル「む……。そうかもしれないな。これは一本取られたな。流石だよ。流石は俺を選ぶだけの知性のあるものだ」
CC「……」
るる「なんだ?」
CC「何、気にするな。其う云えば、お前今日のナレーションで世界を壊す等と言って居たが、あれは本気か?」
ルル「俺はいつも本気だ」
CC「全力で見逃せという台詞もか? いや、CMで使ったりする所を見ると、お前は最初から笑われる覚悟で遣って居たと言う事なのか……? うむ。少し見直したぞ」
ルル「それでなんだ? 何か聞きたかったのではないか?」
CC「そうだ。世界を壊すと言う事についてだ。此れは如何いう事なのだ?」
ルル「むろん、世界の全てを壊すと言うわけではない。地球破壊爆弾はいらないさ。俺はブリタニアが象徴する世界を壊すんだ。弱者を虐げ、強者だけが生き残れる世界を」
CC「其の為にギアスで弱者をコントロールして、強者を殺させるのか」
ルル「ふっ(自嘲笑い)。崇高な目的のためには必要悪と言う事もあるさ」
CC「ときに理解して居るか? 其の発想を徹底化したのがブリタニアなのだぞ? そして、力を利用するものは、やがて力に利用されるものだ」
ルル「そんなことは計算済みだ。おまえがナレーションで予告しているように、俺も暴走するのだろう。しかし、俺が堕落したとしても、それは主人公にふさわしい見事な壊れ方であるはずだ」
CC「其れでは全ては、妹の為でもなく、世界の為でもなく、お前がお前の為にお前の戦いを起こしている様に見えるぞ」
ルル「違うよ。全てを同時に望んでいるのだ。これは一手で三つの駒を行動不能にする作戦に過ぎない。そして俺にはその予定がすでに立っているし、仮にふたつしくじっても三つ目は成功するのだ。おまえのピザの番組内宣伝と違って、セーフティーネットが二つもあるのだ」
CC「ほう。そう来たか。在れは仕事で遣っているだけだからな、成功するか如何かは知った事ではないのだ……なあプロデューサー。其ういえば、あの黒の騎士団の服はお前が自分で作ったのか?」
ルル「そんなはずがないだろう。裁縫に才能のある王侯貴族などいるものか。屋敷のメイドの一人にギアスで作らせたのだ」
CC「だがギアスの性質上デザインはお前が遣った筈」
ルル「それは当然だ。あのゼロの配下の軍団なのだからな。美観と機能性の見事な折衷だろう? 印象的でいて、主役を食うことはない。イメージはジャニーズのバックダンサーだ!」
CC「……。まあいい。中央で踊るお前がスターと云う訳か。そういえば動きと台詞が一々ドサ周りの芝居がかっていたな」
ルル「ジャニーズをドサ周りと聞こえかねん危険な発言をするな! ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命ずる……」
CC「単なる口真似キャラだからと言って、本家の愚かさを其処まで真似て如何する。力を与えた主にその力が効く訳ないだろうが。死神の名前をデスノートに書くようなものだ。馬鹿者」
ルル「そうだったな。フッ。俺もまだまだだ」
CC「……」
ルル「なんだその引っかかる沈黙は。時折やってる見えない誰かとの会話といい、おまえちょっと電波じゃないのか?」
CC「何、誰と話しているでも無いのに屡く独り言を言うお前ほどじゃないさ」
ルル「ところで。重大な問題がある」
CC「何だ」
ルル「このインチキ対談はどういう落ちがつくんだ?」
CC「知るか」