第五話「駆引」

ライトはいう、考えるんだ、落ち度はなかったのか、と。
視聴者は思う、考えればわかるが、ほとんどが落ち度です。

だって、ほぼすべて自爆だものね。
レイ殺しなんかも、結果的に失敗がなかったというだけで偶発的な障害を一切考慮しない、手前勝手計画である。都筑道夫の言うところの、「計画の途中で、バナナで滑って転んだら、どうするのでしょうか?」というやつですな。
はっきりいってしまうと、余計なことをせず黙々と殺していけばLの信頼性は勝手に落ちるし、大衆への知名度は増すしで、労せずして新世界の神になれたことでしょう。
 
あ、これは批判ではありません。デスノートはこれでいいのです。シャーロック・ホームズの無理のある「名推理」に誰も異議を唱えないように、ジョジョの超強引な「実はこうしていた」展開に誰も突っ込まないように、ここは自信満々のライトくんを温かい気持ちで見守るのが正しい見方。

そして今回あたりから、もう一人のヒーロー夜月パパががんばるわけですが、いまいち弱いかなという気がしないでもない。声と顔の迫力がいまいち。
というか、全体にテンションが落ちてきたかなという印象で、特に、ベンパーを殺してほくそ笑むライトの決めショットがにエネルギーが満ちてないのが残念至極。今回一番の笑いどころになるシーンなのに。

次回のLの顔出し――全面的なメインキャラ化でのキャラ立てに期待しましょう。

あとこれは作っているほうには責任のないことだけど、途中で流れるギターのアルペジオホスト部のエンディングのイントロとかぶりますね。あのフルバンドでのユニゾンにつづいて「五千マイル走って、アドレナリン〜」って始まりそうでちょっと困った。