第五話

コンクール第一回。

伴奏者逃走と土浦君参画は視聴者の誰もが予想してただろうことで、おそらく作り手も予想されていることを予想していることだろう。よって、見所は伴奏の人がなぜ逃亡したか、どうやって土浦乱入の段取りを作るか、ということになる。前者は単なる嫉妬もありつつ音楽に向き合う姿勢という物語のテーマのひとつにかかわる方向へ収斂させ、後者は、いったんは一人で演奏という、主人公の内面的な強さのアピールと教師の横槍というそれなりに自然な仕掛けで完遂。

主人公たちの演奏が、好評だったという描写のわりに最下位というのはよくわからないが、魔法のバイオリンでトップになるというのは、ストーリー的にもテーマ的にもどうかと思うし、といって主人公が、ある程度評価されないと見ている側にもカタルシスがないしで、さじ加減に悩むところではあるだろう。その折衷案が、本編での客には受けて、コンペ的にはいまいち、というラインなのだろうが、このパターンを毎回やるわけにもいかないから、さて以後どうするんだろうか。

しかし、そういう話だからしょうがないにしても月火水木金土の皆さん、日の字にのみ優しすぎである。冬海さんがほとんど存在を忘れ去れている気がする。

さて次回はコンクールとはちょっと離れた別荘話。コンクールネタで欠かせないまじめムードのないところで、キャラ方面でどれだけ弾けられるか、期待したいところ。