第三話

 まったり系というよりは、直球の恋愛物として推し進めていくつもりらしい。まじめにやればやるほど、妹の変な髪形や、主人公の男の右手の漫画家が左手で書いたようながたついた顔のデザインが物語から真剣味を失わせていく。真夜中にも、雨天にも見える虹とかも、ちょっとどうにかならないのかと思う。というか、あれは果たして虹なのか? 少なくても世間一般で虹とされる光学現象ではないのは確かである。
 にしても、主人公と妹の最重要シーンで、タイミングを見計らったように鳴り出すピアノが恐ろしい。もう少し前から彼女の演奏シーンを入れておけば、かくもホラーにならないというのに。