第十三話

 引越し話はお釈迦になり、香月とゆうじは少し接近し、という何の変哲もないハッピーエンド。
それ自体は悪くないのだけど、全十三話中五話に渡ってすっきりしない話をやっておいて、この程度の落ちであると、作り手があまり視聴者のほうを見ていなかったという印象が強くなってもしょうがないだろう。そもそもねちねちとした葛藤劇が似合う話ではまったくないのだ。作画も演出もまずまずだっただけに、こういう半端なシリアス話に時間を食うシナリオに突き合わされるのはとてもあほらしい。
ちゃんとした食材は普通に調理すればおいしい料理になるのである。このスタッフは言ってみれば、香月が「工夫して」、死ぬほどまずい料理をつくるのと同じことをやっているのだ。もったいないことである。