第二十六話

 有終の美(醜?)を飾るべく変態大暴走を見せるのかと思いきや、変態は前座で、前回の二百三高地的バトルを啓太込みでもう一回やっただけなのであった。ただし、今回は少しは派手でかっこよく、おまけに勝つけれど、でもそれでは物足りないのだ。

 つまりは、ぬるい、ということである。こんな「いぬかみっ!」で安穏としているような「いぬかみっ!」は真の「いぬかみっ!」ではないと思う。若本大魔道師にブリーフを穿かせ、主人公のぞうさんを全ヒロインがじっくり鑑賞する程度では、到底要求水準を満たしているとはいえないのであります。
 ではどうすればいいのか、というとまあぜんぜん思いつかないわけだけど。結局、第二話のマッチョ暴走がピークだったのかなと今にして思う。語り草になるものが一話でもあれば、それはそれで立派なことかもしれない。たとえば、同時期の「BLOOD+」がどんな話をやっていたか、さっと思い出せる人なんてまずいないのだから。

 それにしても薫の本体は、あれ最初から男の体だったのだろうか? 何か丸みがあって胸があったようだったのだが……気のせい? てっきり、邪精の呪いが解けて、心が女の体に戻り、啓太のハーレム要員になる落ちかと思っていました。なんにしても、氷漬けとはいえ、思春期の人間を全裸でさらしておくのはいかがなものであろうか。

 総括としては、期待したほど壊れてはくれなかったが、見る前に予想していたのはだいぶ違う面白さを提供してくれたシリーズでありました。

 そうそう、エンドカードは毎回変で面白かったですね。中には本編のシリアスシーンをギャグにリミックスしているのあったりして、このシリーズのスタッフの心意気の表れのようなものでもありました。