第十一話

 大詰め、なのだがさっぱり大詰めに見えない。前哨戦みたいな低温ぶりである。光子爆弾の機器も切迫感皆無だし(ミスターたちも爆弾を探す気も止める気もないみたいだし)、肝心のお宝も、なにか秘密があったわけでもなし(母親視点らしき親バカ映像が貴重?)、マルチアーノがフランカの母親であったりもしないし(なにか秘密はあるらしいが、ブルースの妹とか?)、アンジェリカがミスターの子供であったりもしないし(いまさら回想やられてもね)、とドラマチックになりそうな要素はことごとく排除してかかっている。

あ、こうやって羅列していたら、もしかしたらわざとなんじゃないかと思えてきたぞ。

昔やっぱりこれのように理不尽なぐらいドラマ性を排除し、キャラの内面にまったく踏み込まないでストーリーを進行させて、そしてそのままに無風状態で終わった『AWOL』というふざけたアニメがあったけれど(*)、それを彷彿とさせますね。せめて最終回ぐらいは派手にアクションできるだろうか? やっても、もう虚しいだけかもしれないけど。

(*)『AWOL』は再編集したビデオがでたきりで、DVDにもなっていない。今では、故hideが主題歌に曲を提供した(「Rocket Dive」ね)こと以外で語られることはまずないと思う。