第十話「アンジェリカ･バーンズ」

　高校生の痴話喧嘩ほどにも緊張感がない、惑星崩壊の危機に、宝捜しに、刑事の脱出劇。なんでこうなっちゃうかなー。

　惑星崩壊のサスペンスは前に書いたとおり、実際に爆発するかもとは微塵も思えないので、ミスターたちがいる限り爆発はないという安心感が先にたってしまう。爆破のことを知っているのがミスターたちだけというのも本来、味方のいない緊迫感のようなものを生みそうなものだけど、前述の通り出来レース臭でいっぱいなのであまり効果を上げていない。

　お宝も実際のところ誰もが半ば道楽で捜しているようにしか見えないので、本当にお金だけなのか、とかもどうでもいい感じで、どこまでも盛り上がりようがない。

　アンジェリカたちの脱出も、彼女が爆薬を隠し持っているあたりは、第一話以来の優秀そうな雰囲気だったが、見せ場はほぼそこまで。
　メイが超都合よくやってきたのはまあいいや。メイの使い方は、もっと盛り上げられそうなところだが、さらりと流したこのやり方も、なかなか悪くない。

　そして今回の山場である（たぶん。タイトルからするとそうだったんだと、今気づいた）ミスターとアンジェリカの再会も、双方キャラがろくに描きこまれてないから、何の感慨もないまま終わる。作り手としてはここで映画的な芝居をさせて、その言葉に出されない思いを感じさせようとしたのだろうが、この映画的な芝居から言葉に出されない思いを読み取ってほしいという姿勢しか伝わりませんでした。残念賞。
　爆発まではあと何時間？