第十話…

前半戦クライマックス迫る、という感じ。

お題は三つ。

一つ目の、山本さんの写真を巡るトラブルは、やりすぎなぐらいに悪い方向に進むのだが、目が離せない緊迫感がある。でもそもそも悪い主人公が泥をかぶらないのちょっとどうかと思う。次回あたりでフォローがあるのかな? ないとちょっと嫌だ。

二つ目は、写真問題から派生するヤノの独占欲について。終盤であからさまに示されるように、ようするに、ヤノは甘えん坊の子供なのだ。「無償で永遠の愛を彼にだけ降り注いでくれる人」などというのは恋人というよりは母親である。対等に向き合う関係とは違う。その錯誤の解消がおそらく後半の焦点になるんじゃないかと思うのだけど、現時点では七美ですらそれをまだ問題視していないし(たけうちくんはけっこう気づいているだろうが)、ヤノもその立ち回りの上手さで、事態を決定的にこじらせることはしてないから、とりあえずはほのぼのにまとまる。
しかし、誕生パーティのエピソードはいい。性善説に過ぎるとわかっていても、ヤノとたけうちくんの友人どものいい人過ぎるリアクション(電話かけてきたときの雰囲気からするともっと鈍感そうなのに)は楽しいし、場の白ける瞬間をギャグで落とす演出も、アニメというより漫画的だが、それがまた物語に必要以上の重さを与えないことに成功している。キャラだけでなく視聴者までが気まずくなるようなシーンが延々続いたら、つらくて見ていられません。
そして一晩中探したというたけうちくんは鬼のようにいい人だし、連絡しない七看は違う意味で鬼である。

最後のはお題というか次回への引きだが、山本さんの話のおそらく山場への助走。ヤノの、過去との対峙。さあ、さあ、さあ! という感じである。


内容の充実もさることながら、個人的にはヤノというキャラどうにも好きになれない理由が明瞭になったという意味でとても有意義な回だった。ヤノは自分にだけ都合がよすぎるんだよね。裏切って欲しくないくせに嘘はつく。まあ「子供」だからしょうがないとはいえるけど。