第二十三話「環の無自覚な憂鬱」

 一にも二にも、ハイテンション。シリーズ屈指のハイテンション。やりすぎなぐらいハイテンション。でも楽しい。
 次から次へと繰り出される派手な心象風景映像は、極端であっても物語から乖離せず、動揺するキャラクターの内面を過つことなく描き出しているから、ドラマを見失うことはないし、むしろギャグが物語に入りやすくさせ、カサノバ君の気持ち、キングの気持ちに無理なく同調できるという仕掛けである。
 もうお見事というほかない。モブも楽しい(倉鹿野さんとか呼ばれてちゃんと来てるし)
 ただ、そうやって演出と細部に熱を入れすぎるあまり、メインだったカサノバ君とハルヒの話のうち、「価値観が合った」トークが大幅に削られて、最後のハルヒの「価値観の合う友達」云々が唐突になってしまったのは、若干、困ったところではあります。
 がしかし、ラストの缶蹴りやら薔薇園やらのシーンの追加で、もうほとんどこれで第一期完でもいいような盛り上がりである。

 次回は、ちょっとクールダウンで鏡夜と環の話。さて、締めはどの話になるんだろう?