第二十話「双子の開けた扉」

 塚本晋也の「双生児」を見た直後だったのでこれも双子の話かい、と放送が始まってすぐ思ったのだけど、そういえば先週の予告でこの内容を知っていたことが、潜在意識に働きかけて塚本映画を見る気分にさせたのかもしれないな、と考え直す。

 序盤のメイドさんの話は誰が双子を見分けるかというテーマに沿ってのリミックスという感じで、断片的な使い方だけどこっちのほうが後味がいい。やっぱりちゃんと別れの言葉を言わせないと、締りが悪いよね。

 さて、例によって男ばっかりの話を潤わすようにクラスメイトやラブレターの主が原作より五割増で可愛いのだが、そんな気遣いが不要なぐらい環が可愛い(このフレーズ毎回書いてる気がしてきた)。グリーンウッドをいまリメイクでアニメ化するならこのスタッフにやって欲しいとかちょっと思う。池田光流もきっとこういう可愛いキャラになることでしょう。
 こういうキャラなら双子もほだされるってものである。

 こまかいところでは双子にいじめられたラブレター娘を環にちゃんとフォローさせているあたりの気配りがいい。
 そして、中学時代のハルヒをカメオ的に出演させて、二人の世界が今後さらに広がることを(そしてある意味修羅場の生成を)、予告する。

 「補完」アレンジのお手本のような一編である。