第三話

 今週は高校野球のおかげで早い段階で録画できたので、さっきそれを見たわけですが……。
 うーむ。やはりこのスタッフは三話目からパワーダウンの法則があるようである。
 脚本家が変わっている(監督が書いている)せいもあるのかもしれないが、密度がぐっとさがって、構成にも工夫ががなくなってしまった。定番でも上手く詰め込めば面白い(見世物として成立する)というのが前回なんかのやり方だったと思うのだが、それは金月龍之介だけのセンスだったのか、フタコイと同じく違う路線に行こうとしてしくじっているのか、予断を許さないところ。
 なんにせよ今回が、定番を普通に並べるとなかなか寒い、という証明にしかなっていないのはまずい。

 ストーリー的にはつなぎというか新メンバー参加というだけなので、複雑なプロットやアクションを要求してもしょうがないのかもしれないが、似非ゴスペルパートや差し入れおばさんのたちの食材の描写が妙に細かい(手作りチーズとか)あたりとかをみると、かっこいいとはスカすことさ的な方法論で駄作化したフタコイを想起させるオフビート感覚で、そのへんでも先行きがとても不安である。
 横道へのそれかたの微妙さだけでなく、せっかくフランカの料理パートを入れておいてそのフォローがない――たとえば、作った料理を見せる――という構成の初歩もできてないようなところも気になる。これがたとえば宮崎駿なんかだと、つくった料理はいつのまにか、教会の三人用とコヨーテたち用にそれぞれ折り詰めになっていて……というふうなオマケが付いて、フランカのキャラを上手く立てる仕掛けにするだろう。まあそうしたらそうしたで、宮崎アニメのパクリだといわれそうではあるが、 教会での似非決闘シーンのようなべたべたなシーンは平気でやるのだから、そっちもやれば良いのにと思う。

 物語方面で期待度がいまいちなことに加えて、見掛けの濃いキャラが増えた割りに、キャラが弱いのも、不安材料といえる。神父もつまんないし、大塚明夫も相変わらず大塚明夫であると言う以外の魅力がない。フランカも前述したようなシーンでもあればそれなりキャラが立ったろうにねえ。