第二話「平民の使い魔」

第一話と対応するタイトルが示すとおりに、基本が主人公視点。
とくに冒頭、主人公サイドからの召喚場面の描写から始まるわけだが、これ、半分以上、自業自得では?
 という、疑問はさておき、キスでもためらっていたのに、裸はためらわない理由はいまいちわからん。異種族ならともかく、同じ人間ではあるわけだし。
 ここらは彼女の順応性が高いというべきなのか、ご都合主義の所産というべきなのか。あるいは、貴族は他人の前で裸になることをためらわない(お付きの者にいつもやらせているから)というやつなのか。

 決闘の話は、そういう設定なんだから仕方ないが、できれば「秘められた謎の力」ではなくて、頭を使って戦って欲しかった。あるいはぎりぎりまで知能で押して、土壇場で魔法の力押しに負けそうになり、謎パワー発動、という感じとか。
 意気揚揚と喧嘩を吹っかけ、ボコボコ、でも謎パワー、だと主人公が直情馬鹿すぎる、というかそういう話なのかな。基本はジャンプ漫画の主人公と同じっていう。


 いささか引っかかるのは、貴族/平民、という構造の世界観。
 こういう構図から話を作るのはそれ自体は問題じゃないけど、貴族であるギャラリーが平民である主人公の勝利に何の屈託もなく歓声上げたり、あんまり深く考えて作ってないよなあ。
 この場合は、薔薇男に人望がなかっただけ、ともいえるけれども、閉鎖的な社会だと、闖入者や秩序を乱す人物の行動は、その者にどんな義や理があっても圧殺するのが基本なんじゃなかろうか。それが上下関係を脅かす存在なら、なおさらのはず。
 作り手にどんな意図があるのかはまだわからないが、ローライズのパンツや釘宮キャラの裸をたくさん描く為だけの設定にしてはちょいと重すぎる気がする。 
 ……というのは、考えすぎなのか知らん。