第四話「歪」

鬼隠し編があっさりおわってしまった。
 ううむ。消化不良。
 やっぱり日常パートが少なすぎるせいで、登場人物が壊れてるパートばっかりのお話になってしまった。このシリーズの肝だろうと思われる、親しくなったと思っていた友達が、理解不能な存在になっていく怖さとか、成り行きとはいえそれを殺さざるをえなくなる切迫感とか悲しみとかが全然伝わってこないのがつらい。
 演出も「ドン!」とかショックシーンのカットインとかで、物理的に盛り上げる方向に逃げすぎである。サスペンスにしてもホラーにしてもじわじわと感覚的に回りくどく責めていってからのとどめで直球攻撃に行くのが基本である。
 アニメではその性質上、見せたいもの見せたくないもののコントロールという点では実写よりはるかに精度が高いから、実写の「呪怨」的な生々しい怖さは出せないぶん、主人公の主観視点ひいては心理状態の描出には向いていて、当然、視聴者のリンクも作りやすいと思うんだけどねえ。
 もったいないなあ。
 それにしても、次回から「綿流し編」ということで、何事もなかったように話がリセットされるのは、ゲームならともかく一般視聴者がおもいっきり混乱するようにおもえるのだが……。