第二話「あらぶる森の主」

主という名の虎ふう怪物退治。
 話自体はオーソドックスな風来坊の英雄譚なわけだけど、仮面の男が村人に信頼されていく流れや、「おやじさん」と打ち解けていく過程をやや早送り気味とはいえ、きちんと描いているので、終盤の村の男たちみんなで立ち向かう展開に説得力がある。おびき出す作戦にはもう一工夫ほしいところではあるけれど。主を殺したことに村人達が落ち込んでるくだりが描かれているあたりも丁寧でいい。因習を破ったことや、それ自体は罪のない生き物(ようするにただの野獣だしね)を殺したことへの罪悪感を彼らがちゃんと感じているってのは、彼らが単なる書割のモブで無いことを見るものにちゃんと印象づけて、作品世界を拠り自然なものにする。
 これは、主人公に対するアルルゥ、エルルゥの描写(「不在の父」と「家族」がキー)などにもいえることだが、きちんとネタをふって回収する、基本をおろそかにしない脚本だ。やりかたは地味だが、じわじわと効く。
 演出面では、ヒロインたちの動きや表情がいい。耳もしっぽもなんかかわいいぞ。ちょっと手塚治虫(漫画の神様であるだけでなくしっぽ&獣娘フェチの神様でもある)の気持ちがわかる気がする。
 ただし、森の主の『ハヤテのごとく』レベルの作画はあんまり。子供は声以外はそれなりに可愛いのに。
 さて、エンディングテーマはいつ発売されるんだろうか。