第一話

この索漠とした気持ちはなんだろう、そうあれだ、練馬大根ブラザースを見たときの気持ちに近い。言語化すると『一刻も早く番組が終わって欲しい!』そういう気持ちだ。
 感覚的でない言い方をすると、一話目のつかみとしては最悪の部類だということがいいたいのである。
 いきなり劇中劇なのはまあいい。劇中劇が死ぬほどつまらないのも、そういうネタなのだろう。無意味に出てくる古畑任三郎ネタも今後の伏線なのだろうし。でもそれをいきなり三十分見せられる人の気持ちを作り手は考えるべきだった。それも初対面で何の思い入れもないキャラたちがやる三文芝居を見せられる気持ちを。
 普通にキャラクターを紹介して、それなりに思い入れを持たせてからなら、この寒さだってたぶん許容できたんじゃないかと思う。一話ほぼ全部はいくらなんでも長いと思うけど。
 あるいはあの一応突っ込みも入れるナレーションがあるから、視聴者の感情移入はばっちりということだったのかもしれない。作中キャラを知らなくてもナレーターとは仲良くできる、というような。
 とするなら、甘かったとしか言いようがない。ナレーション自体が寒いんだもの。視聴者の立場というより、劇中劇と視聴者の仲介的なノリだったから、結局「向こう側」の発言にしかならないのだ。他人事みたいに言っているが、おまえも関係者だろう、と。っていうかあれは劇中ナレーションみたいなんだが、あんな寒いナレーション付きであの監督さんは満足なんだろうか? ちょっと頭のあったかいヒロイン? 永野のり子?
 まあ、内容的な評価は次回以降に持越しですねえ。監督のセンスには疑問符が大量についたけど。
 あ、そうそう。猫は可愛かった。エンディングのダンスはもっと大きな画像でやればよかったかもね。或いはDVD特典とかかね。

 にしても、だ。屋上にフェンスなしってのはどうよ?