第二十六話「かりぬい」

終わってみてけっこうがっかり。そこで期待してはいけないとわかっていたのにやっぱり期待していたことに気づいたのであった。だってねえ。

 とはいえ擁護しようもないのだった。たとえば――
 あいが自分の恨みを晴らすために、つぐみをそそのかすって流れはあまりに無理がないか? マッチポンプじゃん。つぐみが新地獄少女になって、その依頼者があいならまだ解るわけのにね。
 作り手としてはあいが迷いをとくまでという流れでまとめたかったのだろうけど、復讐心が消えても仕事を続けていこうとするほどの決意は見えなかったし、はじめ親子は巻き添えで損をしただけだったしで、どうにもこうにもしまらない。大体カメハメ波で寺を全焼って住職悲惨すぎ。
 シリーズ全体でも見ても、さんざんひっぱってきたあいとつぐみの意味ありげなリンクも遠い因縁というだけで終わってしまったのは謎だ。わざとみせてたような演出があったのは、ミスディレクションという感じではなかったから、実は製作中に路線変更でもあったのかなあ。序盤のはじめちゃんの小悪党設定がどこかにいってしまったのもそのせいと考えるとつじつまがあう。真相はスタッフしか知らないことだけど。
 詰めの浅い話に始まり、詰めの浅い話で終わっていったのでありました。これは或いは宿命だったのかも知れない。

 それにしてエンディングの「ツヅキマス」ってのはもしかして続編予定ありなのか? 柴田親子との縁が切れちゃったから、もう一話完結の似非必殺仕事人にしかならないような気がするが……。
 映像的には綺麗でよかった。特にラスト三話はどれもいい感じ。もし続きがあるならば、このこだわりのこころを内容の吟味にも使うようにしてほしいところではあります。