第二十六話

 エピローグその二。蛇足の蛇足。映画アキラの暴走鉄雄の手みたいなものですね。
 というのはともかくとして、内容的には「父」がテーマということで、ネギの父探しの話のリフレイン(成功はしないが、ニアミスは出来る)をやり、未完という結末を迎えるのであった。もとより番外編的なシリーズであったので、これで一応原作に回帰するということになる。アーニャ&ネカネとか小動物二匹とか、各種改変されまくりのキャラたちもいるので、原作にそのまま接続というわけではないが、原作に準拠したかたちでの『ネギま!? パート2』も可能そうな、至極穏当なまとめかたでした。もっとも、原作は原作で、今現在、お世辞にも面白いとはいいがたいというか、この「!?」版とは違う意味で困ったことになっているわけで(スタッフの合議制とアンケート結果を反映する作劇の相乗効果で、作品の核を見失って迷走どころか立ち往生、名目ばかりの目的設定でその場その場で受けそうなイベントを並べているだけ、という惨憺たる状況である)、続きがあるとしたら、やっぱりオリジナルストーリーのほうがいいかもしれない。
 ともあれ、退屈なメインストーリーも終わってみれば、どうでもよくなるというか、コント関係はそこそこ楽しめたのでそう悪いシリーズでもなかったかな、という感じである。ただし、二クールも長々とやるようなコンセプトで無かったのは間違いないですが。

 ひとつ、とても気になったのは、、まき絵の「お父さん」ネタに変に合理的な落ちをつけたこと。あれは余計でしょう。ナンセンスなギャグに、理由をつけてしまうぐらいつまらないことはない。それとも、彼女をあんまりぽややんなキャラにしてはならんというお達しでもあったのだろうか?

第六話

宇宙島流しの刑からの帰還、という話。

微妙に真剣みに欠ける所長がむかつく。ほかの人たちはそれなりに真剣そうに見えるのだから、あえて彼だけは、人命より体面みたいなところのあるキャラに設定しているんだろうが、そういう不快な人物をメインにおいておくことのメリットがいまいち見えない。普通にロケット浪漫で宇宙馬鹿な人たちの話にすればいいのになあ。
 まあそんなところは、ものすごい偶然でゆかりの母校の、それもプールみたいな池にねらったように着陸して、しかも、なんの衝撃もない、というシークエンスの衝撃に比べれば、たいしたことは無いのかもしれない。けっこう深い池なのか、落下速度が超遅かったのか(水がろくに飛び散ってなかった、ということは羽毛が落下するように落ちたのかもしれない)、知りませんが、ギャグで落とすにしても、もうちょっとやりようがあると思う。

宇宙で凍えてるゆかりに誰も連絡しないのは、基地の面子がやっぱりどこかおかしいから、ということでいいとして、宇宙に一人でいる怖さは、寒さ以上に、文字通りの虚空にたった一人、という状況そのものであるように思うのだが、そのあたりの描出はあまり成功してない。そこをきちんと描けていれば、マツリが来たときの感動もひとしおだったろうに。スタッフがじつは宇宙SFに興味ないのかな?
そのマツリが800Gに耐えられたりした謎は、次回以降明かされるのだろうか。

そういえば、ゆかりのお守りが買われたくだりがゆかりの回想シーン風に描かれたのはなんだろう? 遺伝子的にもまだ存在していないような? いや、あれはゆかりの記憶ではなくて、そういういきさつがあったと母親に聞かされていた、ということなんだろうか。