第七話

 パロディものではお約束のひとつでもあるロボットアニメごっこ回。それもたとえば『機動戦艦ナデシコ』みたいに、本編のテーマと絡むかたちでの挿入ではなく、あまつさえ本編とは登場人物の名前とキャラクターデザインが同じなぐらいではべつに関係がないという、いつものキャラのコスプレ的な妙味みたいなものすらない、ようするに、べつにこのアニメでやる必要も意味ないけど、スタッフがやってみたかったからやりました、という感じの、大胆不敵なコンセプトである。あれですね、リミックス頼んだら、原曲の一部をサンプリングしただけの、リミキサーのオリジナル曲が仕上げられてきた、というようなはなし。
 といっても今回の監督の久城りおんという人の監督作品は『明日のよいち』というるろ剣を現代に移してラブひな化したようなものしか知らないうえ、その作品に特別監督の個性を感じたりもしなかったので、今回のこの作品からも、なにかそういう独自性みたいなものは見えてこなかったわけなのだが。もちろん、よいちがそうだったように、上がってきた脚本をただそのまま作っただけ、とみえる作劇こそが久城の個性であるならば、まさにこれは久城の個性の発揮された結果ということは可能かもしれない。
 さてしかし、今回の御乱行でわかったのは、このシリーズはべつにキャラクターの統一とかシリーズを通しての変化や深化は考えていないということである。残りの話数が皆今回と同じ王道フォーマットのなぞりごっこである可能性も充分あるということだ。たとえば、魔女っ子もの(古典的なのから、プリキュアやなのはみたいなのまでよりどりみどり)、異世界ファンタジー(RPGっぽいのがいちばんありえるか?)、ミステリー(本格系からヒッチコックまで)、昼メロ、まあいくらでも出来てしまう。もちろん、それが面白いかどうかはまたべつの話なのはいうまでもないところ。