第五話まで

 ラブコメというよりはエロコメといったほうがいいような、全裸とかパンツとか卑語ぎりぎりの台詞とかが満載のファンタジー学園もの。未成年のエロ描写を規制したくてしかたない東京都の、MXテレビジョンににて放映中!
第一話あたりの、「善意に満ちた主人公が善心よりなにかをしたりなにかを語ったりするとどんどん裏目に出て大悪党認定させる」というシチュエーションは悪くなかったと思うのだが、いかんせんそのネタは続かず(まあ情報不足に基づく誤解によって生まれた状況なので、情報がいきわたるだけの時間がたてば同じ状況が維持されないのは当然である)、かといって主人公を文字どおり大魔王人格にするわけにもいかず、となれば「設定」という名の運命の力で主人公を大魔王方面へ追い込むしかないわけで、過去の遺物だの、陰謀をたくらむ謎の人物だの、謎の組織から派遣された人物だのが跳梁跋扈して、あいまあいまに下着やはだかを交えつつ、主人公を困らせる展開以外ありえないのであった。それが一段楽したのが第五話である。極端な話、ここで放映が終了してなんの問題もない気がする。というか、以後はここまでの展開をキャラを増やして焼きなおすだけなんではあるまいか。すくなくてもエロとコメディの要素を維持するなら、それが無難であるだろう。何話目かであった「魔王の本性が本人にも自覚されることなく現出して、不良どもの手足をなんのためらいもなくベキベキ折る」展開をさらに増幅していくようなバイオレンスジャック路線を突き進むと、一部のファンしか喜ばないのではなかろうか。けーなの過去だとかの伏線の数々が転がっているところからすると、それほど暴力的な方向にはいかないにせよ「無難」も行かないような(いやな)予感もあるのだけど、同時に、どうせきちんとした「完結」はないだろうという予感もあるので、あんまり頑張りすぎないことを願いたいところではある。