第八話「音羽」

前回のがほたる(ひなた)編の最終回するなら、こちらは音羽編。「音羽」という字面を見ると「おとは」でなく「おとわ」と読みたくなるわけですが、それはともかく、自称妖精設定と本筋のいじめ話にまったく関わっていないという強みを生かしてのお遊び回でもある。たとえ夢の話でも、村がかりのいじめのことがなかったことになっている、という根本的な設定変更をやって白々しくなったり、重い現実が垣間見えたりしないのは、彼女だけだろう。

 そんないい意味で反重力的なコンセプトであるので、ああなんとばかばかしいと思いながらも結構楽しく見られてしまったのだった。いや、「結構」どころか、本シリーズ中では一番楽しかったですね、正直なところ。いじめだの暗い過去だのといったちんけなシリアス調をやるよりこういう話のほうが向いている素材なのだろう。ただし、おっさんメイドは、瀬戸の花嫁ターミネーター女子高生の境地にも達してないし、ドリアンレッドグローリアの女装ほどの愛嬌もなく、なんとも寒かったですが。

 なお、減反政策と農業振興では農業振興が勝ったほうがいいと思います。