第十五話「覚醒」

 フィレス、近衛フミナそれぞれの話の決着。といってもどちらも、視聴者にはよくわからない理屈で勝手に帳尻を合わせて勝手に終わっていくのですが。

 なんかこういってみれば字幕無しのポロロッカ語放送を見ているような感じである。

 突然出てきたバルマスケの疲れたサラリーマンに山羊の角と蝙蝠の羽をつけて、はいトモガラ一丁上がりってなおっさんが超つおいとか、突然出てきて、お仲間が「お下がりください銀さん」というと引いていく銀とか、前回ラスト今回冒頭のいかにも悪人な微笑みはあれだけで基本的にしおらしい乙女キャラだったフィレスとか、フミナの存在理由は情報収集としてもこのタイミングで回収する理由はどこにあるのかとか、バルマスケの皆さんの当初の計画はどんなものでそれがどう方向修正されているのか頭から尻尾まで不明ってのはどうよ、とか、教授は演技とキャラ付けがうっとうしいから引っ込んでてくれとか、タイメイシヘンってなんですかとか、グゼノオウはドイツもこいつもとんでもなく強いけど、最終的になにがしたいのこいつらとか、このパワーバランスではフレイムヘイズ圧倒的不利だが今までもこうならばとっくに全滅しててもおかしくないから他所にはもっと強いフレイムヘイズがいて、その結果勢力均衡がなされていると推察されるがそいつらはなんでバルマスケのやりたい放題を放置しているのかとか、二期合計四十話ぐらい見てきていまだほとんどのことが謎のままなのは、いくらなんでもどうなんだろう。全部フットワークに幻惑されていろってことなのか知らん。
 まあ確かにバトルはそこそこ派手やかで、見飽きないつくりではあるけども、派手なバトルと可愛いキャラだけ出しておけばいいなら、回りくどい伏線的な場面はなくてもいい気がする。っていうか現時点では、もはや伏線というよりは不良債権というか倒産寸前の藩の藩札というか、積めども積めども、視聴者の好奇心をぴくとも刺激しない代物になってしまっているように思う。

 せめて、シャナや悠二のドラマをきちんと描けていれば、見る側の支えになるのだけど、シャナは第二期開始時からほぼ固定状態、悠二は状況に流されるばかりだしで、どうにも冴えないのがつらい。次回の吉田さんの動きが、心理的な閉塞状態を打開する鍵になればいいのだが。