第三話「ラッド・ルッソは大いに語り大いに殺戮を楽しむ」

 引き続き時系列表示が恣意的で、これはどうやら製作者達は、韜晦趣味に淫してる部分が多いのだな、と理解しましたが、いまのところフィーリングでついていっても混乱するような話でもなさそうなので不問にしておきましょう。ま、ファミリーの名前がたくさん出てくるとちょっと混乱するし、えらいおじいさんと使い走りのおじいさんの区別が最初つかなかったりもしましたが。
 今回はタイトルどおり、人間の屑ことラッドが大活躍という話。アラディン・セイン(A LADD INSANE)? 
 さてこの彼、自己の快楽にいきるサイコパスというよりは、享楽犯罪者的な要素が高かったり、エルモアレナードあたりがお手本のような長広舌を振るうキャラなのはいいのだが言ってることが妙に自己鼓舞調(つまり本質的に弱気?)で下っ端臭が漂ってたり、なのになぜか人望がありそのうえリーダーシップがあったりと、たぶんにちぐはぐ、かつ人工的でリアリティとはあまり縁のないキャラだが、前回書いた列車の設定などと同じく、本当らしさや一貫性は二の次の作劇感で作られているのだろうし、藤原啓治が楽しそうに演じているから気にしないことにする。にしても当時のアメリカ人は自国のことを「アメリカ国民」なんて言ったのかね。合衆国民といいそうな気がするのだが。奇人性の強調なのかしら。
 しかし三話目にして話はどんどん複線化しており、これが果たしてあと十話で綺麗に収束するのか、ちょっと不安になるところ。新作エピソード製作のCMもあったりするし、原作もたくさん出ているみたいだから、第二期とか外伝とかいろいろエピソード放置対策のセーフティネットがあるのかもしれないが……。