第三話「代償」

 力には代償を伴うとか善悪観念がおかしいお子様の殺し屋とかどこかで見たような素材を特に工夫もない――どころか、かなりへたくそに提示する第三話。大量出血するような傷をつけられて、とくに治療された形跡もないのに、鎖でぶら下げられて放置されても死にもしない夜明けエイムさんの丈夫さの代償はいったいなんなのだろう、というのはともかく、冒頭の、文字通り必死の覚悟で悪役道を貫くカッター君の切ないまでのひたむきさにちょっとジーンとくるものがあります。同じ切なさはどう見たって勝てるわけないのにパムを守って戦うパムのスタンド――あまり似てないけど、学園戦記ムリョウの宇宙人の兵器と印象がかぶる――にも感じられて、このアニメのスタッフは、かっこよさとか燃えとか萌えとかサスペンスとか謎とかそういうものの描写は不得手でも、絶望を前にした哀愁だけはそこそこいけるのかもしれない、と思わせる。あ、絶滅種っぽいヤンキー君との喧嘩のシーンでの主人公の猫背の不気味挙動もよかったな。ダークサイド堕ちかけ、という風にちゃんと見えたから。

 にしても来週以降、清水愛キャラがなついてきたりしたりしませんように。